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電波の回り込みによる誤動作改善の基礎知識
1)基本的にはフェライトコアを複数個使用して対策します。
コアはHF向け、X/U向けに大別されますが、 概ね大型のものがHF向けと考えていいでしょう。
混同使用しても効果に差がでるだけで弊害とかはありません。
ドーナッツ型・パイプ型のもので内径が小さく断面積が大きいほど効果があります。
あとから追加する場合は、半分にカットされたタイプになりますが、
ケーブル巻きつけ後、隙間ができないように しっかりとビニールテープなどでしばります。
また、コアにはケーブルを最低一巻きを。最初の一巻きは効果大です。
それ以降は一巻き追加で2dB程度減衰を目安にしてください。
パッチンコアがよく使われますが、HF帯では効果が少な目で、
使用する場合は、ケーブル長が許す限り複数個取り付けてください。
コア使用の注意点としては、送受信用同軸ケーブルには入れ過ぎないこと。
SWR 1.5以上では見かけが良くなったりしますが、むやみに入れるとパワーが落ちるだけで、
リグが不安定になる場合もあります。給電点やリグのコネクター付近がいいでしょう。
2)リグ、ハムスター、PCの配置も要注意です。回り込みのループに可能性があれば要対処です。
a) リグにつなぐケーブルを通ってPC側の回路に回り込む。最も発生頻度が高い。
=>通常このケーブルにフェライトコアを追加して対策しますが、
HAMSTIR DX はこのケーブルが光接続なので、基本的にコア不要。
ただ、他のケーブルが近くなる場合はコア追加も必要かも。特にV/UHF。
b) ノートPCの電源をリグの安定化電源からとってた。
=>ACアダプタにはコモンモードフィルタが入ってるので付属のアダプタを使用する。
どうしてもの場合は、複数個のフェライトコアを治まるまで追加します。
c) スチールの棚に両方を並べて設置したことで、棚を経由して回り込む。
=>直接接触してなくても、静電容量結合もあるので、それぞれを棚から浮かす(5-10mm)。
できれば木製の棚を使用してください。
ハムスターはPCの一部と考えてPC側に配置(キャビネットに載せるも可)してください。
d) 他のリグや電源を経由してPCとつながってた。
=>アース同士がつながっただけでもNGです。ワイヤー処理を検討してください。
3)アンテナのSWRが悪いと回り込みは急激に可能性が高まります。
最近のリグはSWRメータが標準装備してますから、運用しながらチェックできて便利になりました。
回り込みはハイバンドのほうが波長が短いぶん発生しやすくなりますが、
フェライトコアは周波数に比例してインピーダンスが大きくなるので、コアは便利な対策パーツです。
注意)
誤動作からの復旧作業において、PCを再起動しても症状が直らない場合は、
ハムスターのUSBケーブルを抜き挿ししてください。
充電機能に対応したPCなどで、再起動してもUSB端子の電源が切れず、
ハムスターにハードリセットがかからない為です。ソフトリセットはかかる。
HAMSTIR DX 運用レポート
ハイパワーリグとの組合わせで使用した時の、パソコンやリグへの妨害についてレポートします。
HF帯は特に妨害に強いという結果になっております。ハムスターにフェライトコア取り付けなし。
機器の配置やケーブルの引き回しにより変動するので、この結果がすべてではないことをご理解ください。
No. | 使用設備 | 送信 | 3.5M | 7.0M | 10M | 14M | 18M | 21M | 144M | 430M |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | U10,V10,PC1 | U10 | − | − | − | − | − | − | ○ | TX |
2 | U10,V10,PC1 | V10 | − | − | − | − | − | − | TX | ○ |
3 | U5,HF50p,PC2 | U5 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | − | TX |
4 | U5,HF50p,PC2 | HF50p | TX | − | − | − | − | − | − | ○ |
5 | U5,HF50p,PC2 | HF50p | − | TX | − | − | − | − | − | ○ |
6 | U5,HF50p,PC2 | HF50p | − | − | TX | − | − | − | − | ○ |
7 | U5,HF50p,PC2 | HF50p | − | − | − | TX | − | − | − | ○ |
8 | U5,HF50p,PC2 | HF50p | − | − | − | − | TX | − | − | ○*1 |
9 | U5,HF50p,PC2 | HF50p | − | − | − | − | − | TX | − | ○*1 |
10 | U10,V10,PC1,HF50s | HF50s | TX | − | − | − | − | − | ○ | ○ |
11 | U10,V10,PC1,HF50s | HF50s | − | TX | − | − | − | − | ○ | ○ |
12 | U10,V10,PC1,HF50s | HF50s | − | − | TX | − | − | − | ○ | ○ |
13 | U10,V10,PC1,HF50s | HF50s | − | − | − | TX | − | − | ○ | ○ |
14 | U10,V10,PC1,HF50s | HF50s | − | − | − | − | TX | − | ○*2 | ○*2 |
15 | U10,V10,PC1,HF50s | HF50s | − | − | − | − | − | TX | ○*2 | ○*2 |
・妨害についてのまとめ
HAMSTIR DXは、ノーマルはもちろんコモンモードノイズの妨害低減を考えて設計されております。
・参考
HAMSTIR STレポートページに回り込み対策関連を掲載しておりますので、もしもの時の参考にしてください。
[HAMSTIR STレポートページへ]
ソフトTNC AGWPEで APRS 9600bpsを運用
まず、1200bpsではTNC内蔵機と遜色ない変復調レベルでしたので、ここでは9600bpsのみをレポートします。
テストは TM-D710, FT-7900, ID-880のデータDATA端子での送受信 及び TM-241改 (9600bps受信回路追加) での受信のみです。(144.64MHzにて)
受信チェックは 宇都宮で赤城山と高尾山のデジピータ受信と VX-8Gでそばで送信した場合の二通りでやりました。
送信チェックは 各リグに HAMSTIRをつないで AGWPE + UI-View32で送信操作し、VX-8Gでそばで受信しました。
TM-D710, FT-7900の送信については、20回トライして100% VX-8Gが復調しました。
受信については、VX-8Gで送信したものは100%復調しました。
デジピータ受信については、AGWPEのスコープでパルスらしい波形がみえたものについては100%復調しました。判断が難しい!!
ID-880の送信については、100% VX-8Gが復調しましたが、受信については、VX-8Gでそばで送信したものが時々復調できませんでした。
デジピータも復調レベルが低いようです(70%位?!)。電波の強弱の差ではないようです。
TM-241改では受信だけですが、VX-8Gで送信は100%、デジピータ受信は 90%以上復調しているようです。送信は物理的に改造困難でヤメました。
以上から、AGWPE + UI-View32の組み合わせ運用は、けっこういけるという感触を持ちました。
使用PC:NEC MA-36H (Win2000), Pen366, Ram256MB, サウンドデバイスYAMAHA PCI Audio (DSx)オンボード
このレポートは測定器での定量計測ではなく、感性による部分がほとんどですから、データには誤差が考えられることをご理解ください。